2015年発売のアルバム「組曲（Suite）」に「愛と云わないラヴレター」と言う歌が入ってるんですけど、この歌詞の意味が凄くよく分かるんですよ。なぜ中島さんがこの歌を歌ったのかも。中島さんの歌は、多くは公共性が大きいものなんですが、「愛と云わないラヴレター」みたいに個人的な歌もあります。「愛と云わないラヴレター」に似てる歌は「夜曲」かな。「夜曲」は1981年発売のアルバム「臨月」に入ってます。中島さんは歌で「あの人」ってよく言いますけど、その「あの人」は理想の人じゃなくて、本当に実在する特定の人だと思う。中島さんの歌は主に、その「あの人」に向けて歌ってるんでしょうけど、なぜ電話を使わずに、そんな面倒な事をするのか、たぶんそれは、なんらかの理由で、通信手段が全て使えないんだと思う。料金の不払いとかじゃなくて。会う事も、交通費の問題じゃなくて、なんらかの理由で会えないんだと思う。中島さんはもう人生の残りが多くないけど、奇跡が起こって会えるといいよね、中島さん。©洪 経世